Report

2023 / 6 / 9

 

健康的な食事は、野菜中心が有利」は本当か?
ベジタリアン・ビーガン vs 肉食・魚食
疾患リスク 有利・不利の差

 


健康管理を考える場合、食習慣は大きなテーマとして無視できない重要なポイントになります。多くの専門家が、野菜中心の食習慣を推薦するケースが多くネットでも健康情報は豊富かと思います。日本人の腸は野菜中心でも自然に対応出来る優位性があると言われていますし、腸内環境も肉魚を消化するよりも野菜・果物を消化する方が健康上は有利という説明が多くあります。

LDLコレステロールも低減可能でありダイエット効果も強調される事が多い様です。海藻類は、日本人には消化可能なのですが、海外の人は消化出来ないとの研究論文が出ています。便秘の改善や腸内環境を向上させるには良い食材の様です。日本では、マクロビオテックが思想的な側面が強いとされるが、海外でも良く知られる様になりつつあります。研究者によれば、野菜食だけで健康状態を高度に維持するのは難しいのでは?という声もありますが、世界的には、ベジタリアンやビーガンが広がりつつあります。

これに関して、研究論文が、Tammy Y. N. Tong氏らより発表されています。(Tong TYN, et al. BMJ. 2019 Sep 4;366:l4897. BMJ電子版に掲載されています。論文紹介記事は、日経Goody 医学ジャーナリスト 大西 淳子氏。) ベジタリアンは、6タイプ/max9タイプあり、肉・魚・ベジタリアン/3分類の比較となっています。野菜だけの場合、サプリメント等で栄養バランスを考慮して生活しても、心疾患リスクの低下は明確/有利である反面、脳疾患リスクは、明確に増加UP/不利という報告です。

研究報告では、参加者の食習慣タイプ別に詳細な分析が実施されています。3タイプとも極端な偏りがあまり無い様に調整された参加者を選択しています。女性の参加者割合は、何れも75~82%と少し高くなっています。喫煙者・アルコール飲酒は、それぞれ10%・13%以下となっています。サプリメント摂取者は、56~64%です。平均年齢は、肉食/主:49歳、魚食/主・ベジタリアン:42歳・39歳であり、各タイプの生活習慣病の既往歴は似た統計範囲内で、その差は殆どありません。但し、参加した女性の72~81%が、経口避妊薬を服用しています。

ベジタリアンは、蛋白質を植物から摂取します。これは、心筋梗塞などの疾患リスクを優位に抑制する等良い結果を得ている報告が多く存在します。しかし、脳梗塞リスクは、研究論文により結果が違っています。また、現在、世界で人気を得ている日本食の人気と寿命の関係を上手く説明できていません。以下の報告は、動物性蛋白質も適度に摂取する事は、タウリンやコレステロールを上手くバランスさせて脳梗塞リスクを低減するデータを示しています。1つの健康へのヒントとして参考にして下さい。